クラシック音楽、歴史上作曲家アーティスト別
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スーク アスラエル ターリヒ チェコ・フィル

■スーク アスラエル

ターリヒ チェコ・フィル 52年

第1楽章  第2楽章  第3楽章
 第4楽章  第5楽章

ターリヒは、恩人だったドヴォルザークの娘婿であるチェコの作曲家スークと親交があり、良き理解者だった。ターリヒは実際、この親子の作品を演奏して並ぶものがなかった。完璧な演奏によって、"神"とさえ言われたソ連の巨匠エフゲニー・ムラビンスキーは、ターリヒのドヴォルザークを聴いて以来、衝撃のあまりこの作曲家の作品を演奏するのを止めた。ドイツのフルトヴェングラーは、ターリヒを招聘した際「まわりの指揮者たちは彼が次にどんな演奏をするか、そわそわしている」と言ったとされているが、少なくとも彼自身もそうだったのだろう。(フルトヴェングラーは、自身は作曲家であると考えていたから、本人は"まわりの指揮者たち"に自分が含まれていると考えていなかったと思われる。)しかし、ここに聴かれる演奏には世俗的な栄光とは無縁の響きがある。異常な程、高いところで響いている演奏といってもいい。人は音の1つ1つにこれほど思いの丈をぶつけられるものだろうか。スークは、相次いで亡くなった義父で良き師だったドヴォルザークとその娘で自身の妻だったオティリエ(享年31才)への思い出のために、悲嘆の内にこの作品を作曲した。しかし彼には、深い悲しみを共有できる良い友人がいた。もしその友人がいなかったなら、「アスラエル」はふさわしく表現されていたか疑わしい。音のはざまからは、魂のきしみが聴こえる。慟哭が静かに、そしてゆるやかに品格を保って天に昇ってゆく。悲しみとは、こんなに美しくていいのだろうか。