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ブルックナー 交響曲第4番 クナッパーツブッシュ ベルリン・フィル

■ブルックナー 交響曲第4番

クナッパーツブッシュ ベルリン・フィル 44年

第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章

この録音の背景についてはよくわからない。わかる点を取り上げていくと、まず44年夏頃のもので場所はバーデン・バーデンだった。ここから推理するとベルリン・フィルは演奏のためか、または彼ら自身が休暇を過ごすために、この有名なサナトリウムに出かけ、クナッパーツブッシュとセッションを組んだということになる。いずれにしても、この大戦末期の不穏な時期に荒海の中の浮島のようなこの地で演奏を行ったのは、当時のいろいろな意味で多くは健康問題以外で恵まれていた人々の余暇のために行われた演奏だったのは間違いないなさそうだ。この演奏は他のクナッパーツブッシュの演奏と比較して何となく明るそうに感じる。それはこの地域の雰囲気が影響しているのかもしれない。ここに来る客は日々の療養生活からつかの間の安らぎを得ようと演奏会場に足を運んでいる。通常の都市のように様々な意味を持って足を運んでいる色々な人々とは違うのである。また何か難しく追求して批評する客は中心ではない。ここの人々は、ほんのひとときだけでも、自分の境遇を忘れることができればという純粋な願いがあって集まっている場合が多いことが推測できる。こういう意味で一種の楽しみを求めてやってくるという点で聴衆に共通点があると考えることができる。聴衆が一致している演奏会はすばらしい。(例を挙げれば、 フルトヴェングラーによる47年のベートーベンの第5同51年の第9 )この演奏会もそのような類い希な演奏会となり、こうして後に録音として残されたのは、すべてのブルックナー礼賛者(一般的に"ブルックナー信者"という)にとって特にすばらしいことだったといっていいだろう。この演奏には、敗北してゆくドイツという印象は全くない。むしろ、圧倒的な勝利の行進のように聞こえる。いや、これはもしかすると勝利の残像だったのか・・いや、別の勝利だろう。バーデン・バーデンという地が生み出した時代背景と隔絶したこの演奏、むしろこの時代背景があったからこその産物だったのかもしれなかった演奏、これもまた、1つの時代の記録である。

稿の問題はよくわからないし特に興味はないが、改訂版1878-80となっている。おそらく第2稿か3稿だと思われる。最終稿は4。