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ブラームス 大学祝典序曲 ワインガルトナー ロンドン響

■ブラームス 大学祝典序曲

ワインガルトナー ロンドン響 40年

大学祝典序曲

42年に亡くなったワインガルトナーは、40年に録音から引退したので、本作は最晩年の作品ということになる。主にワインガルトナーの演奏家としてのキャリアは27年のバーゼル移住までなので、老後を過ごしていた期間の最後の年の録音に彼がブラームスのこの傑作、大学祝典序曲を録ったということは意味深いといえる。なぜだろうか。ワインガルトナーがバーゼル、後にはローザンヌに滞在していた期間は教育者として活躍していたからである。その内、1年はウィーン宮廷歌劇場総監督(現国立歌劇場)に復帰していたのでブランク(?)があるが、おそらくその期間も含めスイスで音楽院院長を務めていたので、彼は若い人たちに教育することに力を注いでいたとみることができる。彼にはベートーベンの交響曲の解釈についての優れた著書があるので、これはワインガルトナーの教育に対する積極性の一面を表すものと考えていいと思うし、かつてはパルジファルの初演に立ち会ってワーグナーと面会し、リストに師事することによって身を以て教育の重要性を認識していたと想像していいかもしれない。ワインガルトナーは、この曲を最後に何も録音しなかった。これは彼が選んだ自分自身に対する幕引きの曲である。そして感謝の曲である。ブラームスがすべてのブレスラウ大学の人々に、この曲を通して感謝と祝福の意を表したと同じ感情を、ワインガルトナーも抱いていたのは間違いないと確信できる。そうでなければ、どうしてこれほど慈愛に満ちたメロディを高らかに奏することができるだろうか。