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ベートーベン 献堂式 序曲 ワインガルトナー ロンドン・フィル

■ベートーベン 献堂式 序曲

ワインガルトナー ロンドン・フィル 38年

献堂式 序曲

このワインガルトナーのCDの全集はすべて新星堂というレコード販売会社が特別に企画を立てて制作されたもので、元フィリップスの技術者だった新忠篤氏(レコード芸術誌、管球王国誌でおなじみ)の監修で収められている。この監修作業を始めるにあたって、新氏は英EMIからワインガルトナーのデスコグラフィを取り寄せられたそうだが、この時に送られてきたのは、ワインガルトナーとEMI幹部とのやりとりがリアルにわかる書簡集!!だったそうで、それら貴重な資料はライナーノーツに収められ、そのためだいぶ当時の状況がわかるようになった。それによるとこの「献堂式 序曲」を録れるにあたって、かなりの折衝があったことがわかる。それによるとワインガルトナーはおどろくべきことに 「献堂式」は芸術的にも採算上も成功しないと述べただけでなく、ベートーベンの作品かすら疑わしい、よく演奏会で取り上げられているがインスピレーションに欠けており、やれといわれればやるが、他にもいいものがもっとあるだろうと苦言を呈している。しかし、ここで聴く限り、少なくとも芸術的に失敗しているようには聞こえない。 さらに、ハイドンはまだ、モーツァルトは1曲しか録れておらず( 交響曲第39番 参照)ベートーベンにしても フィデリオ、コリオラン、レオノーレは録れていないと不満をぶちまけている。これに対してEMIのガイスバーグ(レコード創世期以来のエンジニアで、カルーソー、シャリアピンを最初に録音した。この当時はEMIアーティステック・ディレクターでHMV,コロンビアを監督していた重鎮)は、ワインガルトナーによってベートーベン管弦楽作品のすべてを録音したいという希望を持っていると書き送った。これに気を良くしたのか、ワインガルトナーは 献堂式をやる気になり、フィデリオもやるがレオノーレとコリオランは今はできないと伝えている。 そういう経緯があったからなのかわからないが、この演奏は喜びに溢れているように聞こえる。今からいろいろ張り切ってやろうか、という感じがするのである。それが献堂式という曲の雰囲気と良く調和している。