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ベートーベン 大フーガ フルトヴェングラー ベルリン・フィル

■ベートーベン 大フーガ

フルトヴェングラー ベルリン・フィル 52年

大フーガ

なぜフルトヴェングラーは、ベルリン・フィルハーモニー70周年記念演奏会の冒頭に、この曲を置いたのだろうか。普通こういう祝いの場合はみんなで!というのがあるから弦楽合奏のみの曲はやらないように思う。本作はまさにその時のライブ録音である。フーガであるから当然だが、複雑な構成の曲で思索的でもある。およそ祝典で扱うような曲ではないのである。かといって葬式ではどうかといわれれば、それもどうかなと思うが、まあそんな曲である。この後に続けてブラームスの第一を配置することによって、とりあえず祝典としての体裁は保てたと思われるが、それにしても気になる選曲ではある。恐らくフルトヴェングラーは、祝いという心境ではなかったに違いない。戦後しばらく経って立ち直りつつあったドイツにおいて時代の変化、人々の心の移り変わりを憂慮し、この注目されていたであろう演奏会の冒頭にこの曲を奏でることによって世間に何かを訴えたかったのかも知れない。考えすぎだろうか。いずれにしろ、フルトヴェングラーにとって楽団の"70周年"はどうでも良かった、細事であったのは間違いない。彼が常に大きなものを見つめていたであろうことは、むしろこの作品の演奏という縮約された中に見いだせるのかもしれない。