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ベートーベン フィデリオ 序曲 ワインガルトナー ロンドン・フィル

■ベートーベン フィデリオ 序曲

ワインガルトナー ロンドン・フィル 38年

フィデリオ 序曲

レコーディングというのは、演奏家とレコード会社との関係があるからお互いの同意なくしては作業はあり得ない。コスト面も考えれば幾らか博打のような意味を持つこともあるに違いない。それで1つのセッションを組むのにしばらく話し合いが必要なのは普通である。演奏家の側から曲目についてリクエストされる場合があれば、一方主に商業的理由でレコード会社側から打診されることもある。本作のレコーディングの場合はどちらともいえない。(くわしくは 献堂式 序曲 を参照)このようなワインガルトナーとレコード会社のやりとりを見ているとワインガルトナーは比較的恵まれた環境で仕事ができていたのではないかと思える。もっとも彼の場合は時代が違うから、後代の巨匠たちほどには、茨の道を歩まなければならないような状況に直面することはもともとなかったように思われる。そのためか、ワインガルトナーの演奏には、苦労したことを示すような重苦しさが全くない。幸福でロマンチックな時代の演奏である。本作はオペラの序曲であるから幕開けの曲である。でもこの収録はこの序曲だけ録音する前提でセッションが組まれているので必ずしも幕開けを意識はしなかったかもしれない。それでもこの演奏は、幕開けのわくわくするような期待感に満ちている。ここには現代では感じられなくなった根本的なところでの高揚感がある。